患者さんの口腔内の解剖学的構造は独自のものであり、ひとつとして同じものはありません。
そのため、歯科技工士は職人技で、人の手と眼でしか作れない精巧な技工物をつくりますが、その匠の技を駆使した高品質の治療は自費治療になるため、保険診療で受けることはできません。
しかし、デジタルテクノロジーの進化により、一定の審美性と精度を持つ手頃な技工物が短時間で院内製作できるようになり、その一部が保険治療の取扱い可能となっています。
保険適用の被(かぶ)せ物といえば、銀歯をイメージされる方が多いのではないでしょうか? しかし近年では、「CAD/CAM冠」という白い被せ物に健康保険を適用できるようになっています。
材料は、歯科用レジン(樹脂)にセラミックの粉末を混ぜて作った白いもので、保険適用外のオールセラミック冠等に比べると強度や色調、耐用年数は劣りますが、周りの歯になじみ、口をあけても銀歯のように目立ちません。また、金属を含まないので金属アレルギーの心配もありません。
※治療する歯によっては条件を満たしている必要があるので、必ずしもすべての歯に保険を適用できるわけではありません。
自費診療の白い歯については、こちら
保険の白い歯
(CAD/CAM冠)CAD/CAM
CAD/CAM冠とは
最新光学デジタル印象(型どり)による1dayトリートメントの一例
※来院したその日に白い歯が入ります。
症例
治療期間・回数 | 約1週間 1回目・・・う蝕除去・型取り 2回目・・・セット |
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費用(3割負担) | 2回合計 約8,000円 |
種類 | 保険適用CAD/CAMクラウン |
経緯 | 他院で以前に治療した右上2番の歯(丸印)が、二次的う蝕に進行していることが分かった。再治療により大きく歯質を失うことになるので、被せ物(クラウン治療)が必要になった。患者さんは、保険診療での治療を希望された。 |
リスク | プラスチックなので欠けたり取れることがある。 |
治療の流れ
1、最新の3D口腔内デジタルスキャナー
2、デジタルスキャナーで口腔内の読み取りを行う
3、スキャナーの画像を確認
4、CADでのAI設計と歯科技工士による調整
5、最新のミリングマシン
6、ミリングマシンでの削り出し
歯科技工士と補綴(ほてつ)専門医が連携
被(かぶ)せ物や入れ歯など、義歯の治療を補綴(ほてつ)治療といいます。
どこの医院でも行う基本的な治療ですが、なかい歯科は、この補綴治療を専門としており、最も得意な治療の一つです。補綴物は、一般的には外部の歯科技工所に作製を依頼しますが、なかい歯科では、歯科技工士が在籍していること、⽇本補綴⻭科学会専門医と認定医が補綴物の作成に直接関与できるため、両者の多様な知識と熟練の技術の融合により、機械任せでないより優れた補綴物を製作できるのです。
また、外部の技工所に補綴物の作製を依頼する場合には、完成まで1~2週間ほど要しますが、院内であれば患者さんの状態や要望に合わせて作製できるため、セットまでの時間を大幅に短縮できます。補綴物の調整や修理にも素早く対応できるので、不快な仮の詰め物や仮歯の状態を長く我慢する必要がありません。
このように、院内で⽇本補綴⻭科学会専門医と歯科技工士とが連携することにより、より精度高く、早く患者さんに補綴治療を行えるのです。
保険適用となる部位
- 1番・2番・3番の歯(前歯) / 4番・5番の歯(小臼歯)
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保険適用で治療できます。
- 6番の歯(大臼歯)
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上下左右4番・5番(小臼歯)、または7番(大臼歯)が上下左右4本とも残っている状態であれば、保険適用で治療できます。
※7番の歯(大臼歯)が残っていても、噛み合わせや食いしばりなどの影響でCAD/CAM冠にできないことがあります。
- 6番・7番の歯(大臼歯) ※金属アレルギーの方
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金属アレルギーの方は、保険適用で治療できます。
※金属アレルギーであることを証明する医師の診断書が必要です。詳細は歯科医師にご相談ください。
保険適用とならない部位
保険診療扱いとなる条件を満たしていない時は、自費扱いでの CAD/CAM治療を選択することができますので、ご相談ください。